シュピーツへのアクセス
雄大なスイスアルプスの氷河から溶け出た雪解け水は、川となり、湖となり、スイス全土をくまなく潤します。
スイスには大小1500の湖があると言われています。
今日訪れるのは、ベルナーオーバラント地方の代表的な湖、トゥーン湖の畔の町、シュピーツ[Spiez]です。
《数字をタッチすると案内が展開します。》
①シュピーツ
②インターラーケンヴェスト
③インターラーケンオスト
④ブリエンツ
アルプスへの拠点の街、インターラーケン[Interlaken]。読んで字の如く、2つの湖の間に位置する街です。
2つの湖とは、東のブリエンツ湖と、西のトゥーン湖。
シュピーツは、西のトゥーン湖の南岸、中央あたりに位置します。
主要都市からのアクセスはこちらです。
都市 | 所要時間 | 2等料金 | 1等料金 |
インターラーケン | 20分 | 10.4 | 17.8 |
グリンデルワルト | 1時間4分 | 23.6 | 40.4 |
チューリヒ | 1時間30分 | 68 | 116 |
ジュネーブ | 2時間20分 | 68 | 116 |
ベルン | 29分 | 23.6 | 40.2 |
ルツェルン | 1時間36分 | 59 | 101 |
ツェルマット | 1時間40分 | 78 | 133 |
[単位:CHF、最新料金確認日:2024年6月]
スイスの中央に位置するため、どの都市からも1~2時間程度でアクセスできます。
特に、グリンデルワルト等、ベルナーオーバーラント地方の観光地からはアクセス抜群。
ユングフラウヨッホ観光の帰りに立ち寄りもできちゃいます。
意外ですが、陸上トンネルとしては世界最長のレッチュベルクベーストンネルの開通により、遠く離れたツェルマットからも1時間40分でアクセスできます。
トゥーン湖の絶景
シュピーツ観光の目玉は、なんといってもトゥーン湖の絶景です。
シュピーツ駅に到着し、一歩、駅舎を出ると。
シュピーツ駅は、湖よりも小高い位置にあるので、駅周辺からは、トゥーン湖を見下ろす、絵葉書のような絶景が広がります。
ヨットの浮かぶ湾がシュピーツの港。その奥の建物は、トゥーン城と教会です。
トゥーン湖の対岸には牧草地アルプの山々。対岸、正面の岩肌あらわなひときわ高い山は、ニーダーホルンです。
ここ鉄道駅から、シュピーツの港までは、下り斜面になっているので、街の至る所からトゥーン湖の景色が楽しめます。
公園から、ホテルから、レストランから、バス停からでもこちらの景色が楽しめます。
少し早起きをして、朝の澄んだ空気の中、シュピーツの街を散歩。静けさに包まれたシュピーツとトゥーン湖を独り占めです。
シュピーツの街歩き
では、駅を出て、シュピーツの港まで、散策してみましょう。
地図は見なくても大丈夫。道はいくつもありますが、シュピーツ城の方向に下っていけば、港までたどり着きます。
道端の花壇も、キレイに整備されています。
駅と港の間の斜面には、ホテルやレストラン、民家が立ち並びますが、どの家も手入れの行き届いた、緑の木々と花々に囲まれています。
庭先でうさぎを飼っているお宅も。
景色を楽しみながら、ゆっくりと坂を下っていきます。
街中を循環バスが走っているので、上り坂となる、駅までの帰りは、バスに乗っても良いかもしれません。
こちらはシュトラントホテル・ベルヴェデーレ。とても素敵なホテルですので、後ほど紹介します。
15分ほど歩くと、シュピーツ港が見えてきます。
シュピーツは小さな港街です。鉄道駅から港までを、徒歩で往復するだけなら、1時間もあれば観光できます。
あっというまに、湖畔まで降りてきました。
シュピーツ港
シュピーツの港に到着です。
港の広場のベンチで、少し休憩しましょう。
ベンチに腰掛けると、目の前は、港にヨットが浮かぶ優雅な景色です。
一休みしたら、港周辺を散策してみましょう。
ヨットの係留所を過ぎ、左手にシュピーツ城を見ながら、港の先端へ向かいます。
こちらは、客船乗り場前の広場。
強い日差しとヤシの木に、南の島にいるような錯覚をおこしますが、ここはアルプスの湖です。
ここから、こちらの客船で、インターラーケンヴェストやトゥーンへ行く事ができます。
船の時間は、鉄道と同じく、スイス国鉄[SBB]のアプリで検索できます。
トゥーン湖を背に、南側へ振り向くと、富士山のような円錐型の独立峰、ニーゼンがそびえます。
港のまわりには、いくつかのホテルとレストランがあります。テラス席からは、トゥーン湖やニーゼンの絶景を眺めながら、カフェや食事が楽しめます。
港周辺は、バレーコートや広場があり、特に晴れた日の休日は、スポーツを楽しむ人たちで溢れています。
賑わいを感じたいなら休日、静かな港を楽しみたいなら平日に訪れることをおすすめします。
シュトランドヴェーグ湖岸の遊歩道
シュピーツの港から、トゥーン湖の南岸沿いに、シュトランドヴェーグと言われる遊歩道が整備されています。
湖岸ギリギリの遊歩道が、シュピーツから、となり街のファウルンゼー[Faulensee]まで通じています。
ゆっくりと散歩をする人、ランニングをする人が行き交います。
暑い夏は、木陰のベンチで一休み。
湖のさざなみの音が、涼しさを演出します。
ちなみに、スイスでも夏は暑いです。個人的な感想ですが、スイスは日差しは熱いが、空気は熱くない、と感じます。
日本の夏は、湿気を纏った空気自体が蒸し熱く、日陰でも熱い空気が体に絡まりつき、なかなか涼みません。
スイスでは、夏の暑い日でも、日陰に入れば、熱い日差しが遮断され、ひんやりとした空気を感じます。
大げさに思われるかもしれませんが、日陰に入ると、クーラーの効いた室内の様な快適さを感じます。
シュトラントホテル・ベルヴェデーレのプライベートビーチも、シュトランドヴェーグ沿いに存在します。
プライベートゾーンはあらためてご紹介します。
シュピーツ城
スイスには、隣国のドイツやフランス同様に、歴史あるお城がたくさんあります。
こちらは、シュピーツのランドマーク的存在、シュピーツ城です。
シュピーツ城の建設は933年。1000年以上の歴史の中で、ハプスブルク家他、目まぐるしく領主が変わる中、中世期の何度かの改修、拡張を経て、現在に至ります。主塔の一部など、現在の建物の一部は12世紀に建築されたものです。
場内の広場は一般公開され、ミュージアムやカフェを併設しています。
詳しい営業時間はシュピーツ城《公式HP》を参照下さい。
シュピーツ駅からシュピーツ城までは、徒歩で15分程です。
駅からシュピーツ城までの道のり、左側(北側)には一面の葡萄畑が広がります。
シュピーツのホテルでは、シュピーツ産のワインも提供されています。スイス国外にはなかなか出回らないスイスワイン。中でも希少なシュピーツワインは、機会があれば、ぜひ試してみて下さい。
城までの通りの右側(南側)からは、ニーゼンを背後にした、シュピーツの街並みが一望できます。
シュピーツ駅からゆっくり歩いて30分。シュピーツ城の城門が見えてきました。
夕日に映えるシュピーツ城。城門は午前中は完全に逆光になる為、午後のほうが写真が撮りやすいです。
城門をくぐり、さらに中庭へと進んでみましょう。
中庭の奥に、教会が見えてきます。
中庭ではこの日、韓国の方がウエディングフォトを撮っていらっしゃいました。
韓国ドラマ、『愛の不時着』のロケ地、ルンゲルン湖からも近く、韓国の方をよく見かけます。
中庭からもシュピーツの街が一望できます。
買い物も便利
シュピーツ鉄道駅の目の前がミグロスです。
地下が食品売り場、地上階が日用品売り場やミグロスレストランに、なっていて、大抵のものはこちらのミグロスで揃います。
ミグロスは、コープと並ぶ、スイスの2大スーパーマーケットの1つです。
ミグロスもコープも、店舗によって規模はまちまちです。小さい店舗は、日本のコンビニやキオスク位の規模。大規模店舗は日本のイオン位の規模です。
ちなみに、ここシュピーツのミグロスは、日本の一般的なスーパーマーケットサイズの店舗です。売っているものは、日本のスーパーマーケットとほぼ同じと思って頂いて良いかと思います。
食品全般から、日用品まで品ぞろえがあります。
物価の高いスイスでは、貴重な存在です。
サンドイッチ、サラダ、ヨーグルトに飲み物で、15~20CHF位です。
ちなみに、日曜日は休業日ですので、気を付けて下さい。
ミグロスレストラン
最後に、ミグロス内のレストランを紹介します。
サラダ等(写真左下)は、まず大、中、小の皿を選びます。
皿のサイズによって値段が決まっていて、いくら盛り付けても同じ料金です。
ビュッフェ形式でセルフサービスで盛り付け、有人のレジで会計です。
それ以外にも、コルドン・ブルー(写真右下)などはカウンターで注文できます。
コルドン・ブルーには、ビュフェの皿とは別に、お茶碗サイズの皿がついてきて、サラダ等を自分で盛り付けます。
スイーツは、一ついくらで売っています。
手軽に食事を済ませたい場合は、貴重な存在です。
ミグロスレストランからも窓一面、トゥーン湖の絶景が広がります。
アルプスのレイクリゾート、シュピーツはいかがでしたか?
一時間もあれば一回りできる小さな街は、一週間滞在しても飽きない、絶景の宝庫でした。