スイスの首都ベルン
突然ですが、みなさん、スイスの首都はどこかご存じですか??
チューリッヒ?ジュネーブ?ローザンヌ?いずれも違います。
正解は“ベルン”です。
中世の面影を色濃く残す街並みに、噴水と石畳。ベルンの印象は、“ヨーロッパの古都”といった雰囲気です。
石畳の街をトラムが走り、通りの両側の建物の1階にはいろいろなお店が立ち並びます。
お店の前の歩道は、建物が屋根となり、さながら、中世のアーケードといった構造になっています。
石造りの歴史ある建物の軒先のカフェ。
ここで、のんびりとカフェをしているだけで、自分も、歴史ある街並みの一部になったような優雅な錯覚に包まれます。
首都といっても東京のようなアーバンシティではなく、ヨーロッパの古都といった趣きですね。
スイスの都市の中でも、私的にベルンは特におすすめの街です。
なぜかというと、スイスといってまず思い浮かべるのは、牧牛が草をはむ“アルプス”や、山々に囲まれた“湖”ではないでしょうか。
アルプスに湖、いずれもスイス旅行の醍醐味ですが、そこにベルンの街並みが加わると、スイス旅行全体のバラエティーが一気に豊かになり、いっそう思い出深いスイスとなること請け合いです。
では、一緒にどんな街か見てみましょう。
ベルンへのアクセス
ベルンはスイスの丁度真ん中あたりに位置します。
①ベルン
②チューリッヒ
③ジュネーブ
首都だけあって、各地からのアクセスは抜群です。
都市 | 所要時間 |
チューリッヒ空港 | 1時間10分 |
ジュネーブ空港 | 1時間53分 |
グリンデルワルト | 1時間34分 |
ローザンヌ | 1時間6分 |
モントルー | 1時間36分 |
ツェルマット | 2時間7分 |
サンモリッツ | 4時間7分 |
日程に余裕があれば、ぜひベルンを訪れてみてはいかがでしょうか。
ベルン旧市街の観光地図
ベルンの街中の、主な観光スポットをまとめてみました。
《数字をタッチすると案内が展開します。》
①ベルン中央駅
②牢獄塔
③時計塔
④連邦議会議事堂
⑤ベルン大聖堂
⑥アインシュタインの家
⑦クマ公園
⑧ローゼンガルテン(バラ公園)
蛇行するアーレ川の内側に旧市街が広がり、アーレ川の外側には、ベルンの街並みを一望できる素敵なスポットもあります。
①から⑦は緩やかな下り坂で徒歩30分位。
⑦から⑧はかなり急峻な坂道で徒歩15分位です。
ベルン旧市街の散策
では早速、ベルンの旧市街を散策してみましょう。
〔A〕ベルン中央駅を出て、メインストリートを真っすぐ東へ。
アーレ川にかかる〔B〕ニーデック橋を目指します。
ベルンの街中には、ベルン中央駅を拠点にトラムが走っています。
トラムに乗って郊外へ出かけることもできますが、旧市街の散策は徒歩でも十分可能です。
石畳の通りを歩き始めると、いくつもの噴水が目に入ります。
よく見ると、噴水には精巧な彫刻が施されています。彫刻は一つ一つの噴水によって異なります。
なんでも、それぞれの噴水には言い伝えがあるそうです。
こちらの噴水は『サムソンの噴水』。旧約聖書に登場するサムソンが、その怪力でライオンの口を引き裂いています。
噴水の水は飲用も可能な、アルプスの天然水です。
牢獄塔
さて、ベルン中央駅を出発し、メインストリートを東へ5分ほど歩くと、目の前に大きな塔が見えてきます。
こちらは『牢獄塔』。ここは、1256年~1344年まで、ベルンの町の西門でした。
その後、17世紀~1897年まで牢獄として使用されていたことが、塔の名前の由来です。
塔の一階部分は通路になっています。塔の下をくぐり抜け、マルクト通りをさらに東へ向かいましょう。
時計塔
牢獄塔を後にして、東へ3分ほど歩を進めると、再び目の前に時計を備えた大きな塔が現れます。
こちらがベルンのランドマーク『時計塔』です。
時計塔は1191年~1256年までベルンの町の西門でしたが、街の拡張により、西門の役割は『時計塔』から、先程通った『牢獄塔』へと移りました。
13世紀~14世紀に、ベルンの町が西へと拡張していたことが伺えますね。
時計塔の1階部分は通路とお土産屋さんになっています。
塔を通り抜けて、反対側から時計塔を見上げて見みましょう。
大きな時計盤も、塔そのものも、重厚で歴史を感じさせる作りです。
時計盤の下には天文時計あり、その右側に人形の装飾があります。
毎時4分前に機械仕掛けのからくり人形が動き出し、今もベルンの街に時の訪れを告げています。
アインシュタインの家
通りの両サイドの建物の一階部分はアーケードになっていて、いろいろなお店が並んでいます。
軒を連ねるのは、スーパーマーケット、レストラン、カフェ、香水ショップ、アクセサリーシュップにお土産屋さん。
アーケードになっているので、雨の日でもお買い物が楽しめます。
噴水だけでなく、通りに面する石造りの建物も、花や彫刻に彩られています。
クラム通りの右手にアインシュタインの家が見えてきました。
アルベルト・アインシュタインは、1903年~1905年までの3年間、ここベルンで研究に没頭します。
当時のアインシュタイン博士の住居が、今は記念館として公開されています。
ベルン大聖堂
クラム通りを少し逸れて、ベルン大聖堂に立ち寄ってみましょう。
ベルン大聖堂は、クラム通りの一本南側、ミュンスター通りにあります。
スイス一の高さを誇る100mの尖塔は、遠くからでも十分に、その高さが伝わってきます。
1421年に着工した大聖堂が完成したのは、472年後の1893年。度重なる工事の中断の後に完工しました。
ゴシック様式の荘厳な建物には、細部まで精緻な彫刻が施されています。
真下から見上げると確かに高さを感じます。
入場料を支払い、塔の内部の見学もできます。312段の階段で尖塔に上ることも可能です。
ニーデック橋
もう一度、クラム通りに戻り、さらに東へと向かいます。
大聖堂付近からニーデック橋までは、徒歩10分程度の緩やかな下り坂です。
ここまで来れば、ニーデック橋まではあと少しです。
相変わらず、通りの両側にはお店やカフェが並びます。
クラム通りを下りきると、アーレ川に架かるニーデック橋に到着です。
ほど高いニーデック橋の上からは、左右どちらにも良い景色が開けます。
橋の下を流れるのは、ベルンの街を廻るように流れるアーレ川。
ベルナーアルプスを水源として、アルプスの観光地“ブリエンツ湖”や“トゥーン湖”を経て、やがてはライン川に合流します。
ベルン中央駅から、ニーデック橋まで、まっすぐ歩けば徒歩30分といったところでしょうか。
ゆっくり街歩きを楽しむのであれば、小半日はあった方が良いかもしれません。
カフェやお店に立ち寄りながらであれば一日あっても、時間を余すことはないでしょう。
しかし、私的には、何日かかけてゆっくりと歩きたい、ベルンはそう思わせる街でした。
薄暮に浮かぶ大聖堂と、暮れ行くベルンの街並み。
ニーデック橋を渡った先には、はるばるベルンまで旅をした、ご褒美の様な夕景が待っていました。