スイスの観光列車
スイス旅行の旅程に『氷河特急(Glacier Express)』を組み込む方も多いのではないでしょうか?
絶景の宝庫スイスを走る数多くのユニークな観光列車。
今日ご紹介する氷河特急は、中でも1,2の人気を争う観光列車です。
氷河特急
ゴールデンパスライン
ベルニナ特急
ウィリアム・テル特急
氷河特急はどんな列車?
氷河特急は、マッターホルンで有名なツェルマットと、高級リゾート地サンモリッツを結ぶ観光列車です。
《数字をタッチすると案内が展開します。》
①ツェルマット[Zermatt]
②ブリーク[Brig]
③アンデルマット[Andermatt]
④クール[Chur]
⑤フィルズール[Filisur]
⑥サンモリッツ[St.Moritz]
『世界一遅い特急列車』と評される列車の車窓は、残雪を頂くアルプスの山々、線路脇を流れるローヌ川にオーバーアルプ湖、ランドヴァッサー橋と絶景の連続です。
氷河特急は1年を通して運行されている為、車窓からは四季折々の景観が楽しめます。
また、車内ではコース料理やスイスワインも堪能できます。
今回は、ツェルマットからクールまで氷河特急に乗車した感想と、車内の様子をご紹介します。
氷河特急の時刻表
コロナウィルス流行期は、冬季1往復、夏季2往復の運航でしたが、現在は冬季2往復、夏季4往復の運航に戻りました。
下の時刻表は、主要駅の発車時刻の抜粋です。必ず最新の情報を、氷河特急公式HP(時刻表)で確認して下さい。
冬季ダイヤ〔2022.12.10~2023.5.12〕ツェルマット→サンモリッツ
列車番号 | 902 | 904 |
ツェルマット | 8:52 | 9:52 |
ブリーク | 10:18 | 11:18 |
アンデルマット | 11:54 | 12:54 |
クール | 14:34 | 15:34 |
フィルズール | 15:42着 | 16:42着 |
サンモリッツ | 16:37着 | 17:37着 |
冬季ダイヤ〔2022.12.10~2023.5.12〕サンモリッツ→ツェルマット
列車番号 | 923 | 925 |
サンモリッツ | 8:51 | 9:50 |
フィルズール | 9:49 | 10:43 |
クール | 11:05 | 12:14 |
アンデルマット | 13:54 | 14:54 |
ブリーク | 15:55 | 16:45 |
ツェルマット | 17:10着 | 18:10着 |
夏季ダイヤ〔2023.5.13~2023.10.14〕ツェルマット→サンモリッツ
列車番号 | 900 | 902 | 904 | 906 |
ツェルマット | 7:52 | 8:52 | 9:52 | |
ブリーク | 9:18 | 10:18 | 11:18 | 14:18 |
アンデルマット | 10:54 | 11:54 | 12:54 | 15:54 |
クール | 13:26着 | 14:34 | 15:34 | 18:58 |
フィルズール | 15:42着 | 16:42着 | 20:00着 | |
サンモリッツ | 16:37着 | 17:37着 | 21:00着 |
夏季ダイヤ〔2023.5.13~2023.10.14〕サンモリッツ→ツェルマット
列車番号 | 901 | 903 | 905 | 907 |
サンモリッツ | 7:02 | 8:51 | 9:48 | |
フィルズール | 8:01 | 9:49 | 10:43 | |
クール | 9:26 | 11:05 | 12:14 | 14:26 |
アンデルマット | 12:08 | 14:08 | 15:08 | 17:08 |
ブリーク | 13:40着 | 15:50 | 16:50 | 18:50 |
ツェルマット | 17:10着 | 18:10着 | 20:10着 |
車両の紹介
氷河特急は、エクセレンスクラス、1等車両、2等車両、で構成されています。
2019年より『エクセレンスクラス』が新設されました。
エクセレンスクラス車両は1-1、1等車両は1-2、2等列車は2-2のシート配置になっています。
いずれの車両とも、いわゆるボックス席タイプになっています。
天井部分も一部ガラス張りで、アルプスの景観がパノラミックに堪能できる設計になっています。
ハイシーズンは満席になる事もしばしばあります。2人で乗車する場合、4人BOX席を予約すると、他の方と相席になる可能性があります。相席を確実に避けるには、1等の2人対面席の予約をオススメします。
車窓の景色①
ツェルマットからブリークまでは、マッターヴィシュパ川沿いを進みます。
左右の車窓には、マッターヴィシュパ川と背後の山々、集落と牧草地の景観が広がります。
車内には、日本語のガイドブックに、イヤホンを使った日本語の車内放送もあります。
また、お土産の車内販売も、乗車中、何回か回ってきます。
フレンドリーな売り子さんのおススメはこちら。
車内販売の定番のお土産『傾いたワイングラス』です。なんでも傾斜のキツイ氷河特急でもワインがこぼれないようにと傾いているそうです。1つ20.45スイスフランでした。
ブリークを出発すると、列車はいくつかの小さな街を通過します。
しばらくすると、車窓には緑が多くなり、列車はローヌ川の大自然へと進んでいきます。
ブリークを出発して約1時間30分。アルプスの山間の村、アンデルマットに到着です。
アンデルマットを出発すると、列車は氷河特急最高地点オーバーアルプパスへーエを目指し、急こう配を左右につづら折れながら一気に登っていきます。
先程出発したアンデルマットの街並みが、みるみると眼下へ遠ざかっていきます。
車内のコースランチ
アンデルマット駅あたりから、ランチの準備が始まります。コースランチは日本で公式サイトで座席の予約をする際に、コースランチの有無を選択できます。
サラダ、スープ、メイン、デザートのコース。
この日のメインは豚肉の煮込みプルーン詰め。ジューシーな豚肉と濃厚なソースに、爽やかなプルーンの果実味がベストマッチです。
この日のお料理は、とても、とても美味しかったです。
・ワンプレートランチ 34CHF
・3コースランチ 49CHF
・おつまみプレート 24CHF~
・ナッツタルト 11CHF
・グラスワイン 8CHF~
・ボトルワイン 34~65CHF
・グラスビール 6.7CHF~
・ホットコーヒー 5.5CHF~
ワインやシャンパンはボトルでも注文可能です。詳しいメニュー・ワインリストはこちらの氷河特急公式HP(最新メニュー)を参照下さい。
ランチのサーブが始まると、車内は美味しい香りと、カチャカチャと食事にいそしむナイフとフォークの音に包まれます。
ランチを楽しんでいると、進行方向右手にオーバーアルプ湖が姿を現します。
夏には爽やかな湖畔の景色、冬は氷雪に凍る湖の景観を楽しませてくれます。
オーバーアルプ湖を過ぎると、列車は急こう配を下りはじめ、しばらくすると、ディセンティスに到着します。
ディセンティス駅で機関車両を交換し、列車はクールを目指します。
車窓の景色②
ディセンティスからクールまでは、ローヌ川沿いを進みます。
左右を流れるローヌ川。
両岸に茂る緑の木々、白い岩山とも相まって、アルプスらしい景色を作り上げます。
線路は平行するローヌ川と幾度も交差しますので、ローヌ川の景観は進行方向左右どちらでも楽しめます。
しいて言えば、進行方向左側はベルナーアルプス、進行方向右側はオーバーアルプ湖の景観が楽しめます。
そうこうしているうちにクールに到着です。
クールから先サンモリッツまでは、ランドヴァッサー橋等、絶景の連続ですが、今日はここで途中下車してチューリッヒへ向かいます。
乗車証明書
降車したら、降車した駅の窓口へ向かいましょう。
「乗車証明書をほしい」とお願いすれば、その場で作成して頂けます。
写真と服装
氷河特急の車窓は絶景の連続です。
乗車してから下車するまですべてがシャッターチャンス、といっても過言ではありません。
しかし、氷河特急の窓は開閉できないタイプです。
特に白系の服を着ていると、服が窓ガラスに反射しやすいです。写真を撮られる方は、黒系の服装をオススメします。
また、車両の天井部分までせり上がったガラス張りの窓は、景観を楽しむには最適ですが、天気の良い日は、窓と天井からの日差しが強烈です。日焼け対策と水分補給をお忘れなく。
普通列車
余談ですが、氷河特急の走行ルートには、当然、通常の列車(RE.)も走っています。
ガラガラです。
車両に乗客は自分たち以外に1人もいません。貸し切り状態です。
そして、車窓の景色は氷河特急と全く同じであるうえ、普通列車は窓が開閉します。写真や動画の撮影にはもってこいです。
はるばるスイスまで来たからには氷河特急に一度は乗りたいと思いますが、普通列車にもメリットありです。