【最新情報】ベルナーオーバーラントパス
リージョナルパス・ベルナーオーバーラント改め、ベルナーオーバーラントパス。
パスの名前は変わりましたが、パスの内容は変わっていません。
ベルナーオーバーラントパスを使用し、10日間にわたり、ベルナーオーバーラント地方を旅した経験を踏まえ、2023年の最新情報をご紹介します。
※2024年シーズンより、パスの料金が改定になっています。2024年3月時点の、最新の料金をご案内します。
この記事を読んで頂きたい方
①スイスに個人旅行を計画している。
②ユングフラウヨッホに行ってみたい。
③グリンデルワルトへ滞在する予定がある。
④ベルナーオーバーラントをじっくり観光したい。
ベルナーオーバーラントはどこ?
ベルナーオーバーラントとは、スイス中央部のベルン州南部の高山地帯の総称です。
アイガー、メンヒ、ユングフラウ。いわゆるベルナーオーバーラント三山はスイスでも大人気のエリアです。
日本からのツアーにも、グリンデルワルトを含むツアーを数多く見かけます。
ツアーであればグリンデルワルトの滞在は2~3日でしょうか。中には、滞在1日というツアーもあります。
しかし、ベルナーオーバーラントは、1週間滞在しても回り切れない程、たくさんのおすすめ都市や観光地が目白押しです。
今日は、ベルナーオーバーラントをじっくり観光する為の、大変お得な鉄道パスをご紹介します。
スイスの鉄道パスの種類
鉄道大国のスイスには、たくさんの種類の鉄道パスがあります。
スイストラベルパスのように『スイス全域で使えるパス』もあれば、『地方限定のパス』もあります。
今回ご紹介するのは『地方限定のパス』の中でも、ベルナーオーバーラント地域限定の鉄道パス、『ベルナーオーバーラントパス』です。
【2024年料金改定】ベルナーオーバーラントパスの料金・特徴
2等 | 1等 | |
3日間 | CHF 240 | CHF 288 |
4日間 | CHF 280 | CHF 336 |
6日間 | CHF 350 | CHF 420 |
8日間 | CHF 395 | CHF 474 |
10日間 | CHF 435 | CHF 522 |
[最新料金確認日:2024年6月]
※6歳未満は無料です。
※6~16歳はCHF30で購入できます。
CHF350で[6日間-2等用]を購入した場合、連続する6日間、通用区域内のほぼすべての鉄道、バス、船の2等車両に無料で乗れます。(一部の登山鉄道等は、無料ではなく50%オフ)
通用区域内であれば、切符を買わずに、そのまま列車に乗る事ができます。この点はスイストラベルパスと同じですね。
スイスハーフフェアカードとの併用
ちなみに、スイスハーフフェアカード所持者は割引で購入可能です。
2等の料金は、下の表の通り、割引になります。
ハーフフェアカードなし | ハーフフェアカードあり | |
3日間 | CHF 240 | CHF 168 |
4日間 | CHF 280 | CHF 196 |
6日間 | CHF 350 | CHF 254 |
8日間 | CHF 395 | CHF 287 |
10日間 | CHF 435 | CHF 316 |
[最新料金確認日:2024年6月]
スイスハーフフェアカードの料金は120CHF。所持していると、スイス国内のほぼすべての公共交通機関に、通常料金の50%オフで乗車可能なチケットです。
ハーフフェアカードを所持していれば、チューリヒからベルナーオーバーラントパス有効区間までの移動料金が50%オフになります。
(チューリヒ空港⇔ベルン往復59CHF/1人お得になります。)
さらに、さらに、ベルナーオーバーラント以外の地域も旅行される方は、ベルナーオーバーラント以外の地域での交通料金が50%オフになります。
レマン湖地方に10日滞在し、ベルナーオーバーラントに10日滞在する、といった旅程には、ハーフフェアカードとベルナーオーバーラントパスの組み合わせが威力を発揮します。
みなさま、ご自分の旅程でどちらがお得か、ぜひ計算してみて下さい。
ベルナーオーバーラントパスの購入方法
ベルナーオーバーラントの主要駅の他、チューリッヒ空港、ジュネーブ空港、バーゼル空港の各駅のチケットカウンターで購入できます。
私は、チューリヒ空港駅のSBBチケットカウンターで購入しました。
いつから有効日とするかを選べるので、『何月何日から10日間』といった買い方ができます。
スイスハーフフェアカードと同時に購入することで、ハーフフェアカード適用価格で、ベルナーオーバーラントパスが購入できました。
①空港を出て向かいのエアポートショッピングへ
②1フロアー下のSBBトラベルセンターへ
[チューリッヒ空港HPより転載]
チケットを購入した後、エレベータでもう1フロアー下りればチューリヒ空港駅のホームです。
スイス国鉄、もしくはBLS鉄道のHPからも、オンライン購入できます。
ベルナーオーバーラントパスで行けるところ
ベルナーオーバーラントパスで、無料で行ける主な都市がこちらになります。
・グリンデルワルト
・ヴェンゲン
・ラウターブルンネン
・ミューレン
・メンリッヒェン ※
・クライネシャイディック ※
・フィルスト ※
・ロートホルン ※
・ベルン
・ルツェルン
・ドモドッソラ(イタリア)
※はスイストラベルパスでは有料区間(25~50%オフ)です。
ベルナーオーバーラントといっても、ベルンやルツェルンも無料範囲に含まれます。
ブリークから国境を越え、イタリアのドモドッソラへも無料で行けます。
スイストラベルパスでは50%オフのロートホルン鉄道も、無料で乗車できます。
さらに半額区間や特別割引区間を使用して行ける主な都市がこちらです。
・ユングフラウヨッホ
・シルトホルン
・モントルー
・アンデルマット
半額区間を利用すればレマン湖畔のモントルーや、氷河特急の停車駅アンデルマットへも行けます。
詳しい通用範囲は、次章を参照下さい。
【最大のメリット】無料で乗れる登山鉄道
ベルナーオーバーラントパス最大の魅力、それは、ベルナーオーバーラント地方の登山電車やケーブルカーに無料で乗車できるという事です。
一方、スイストラベルパスは、スイス国内の主な交通機関が無料になることを謳っていますが、登山鉄道やケーブルカーは50%オフにしかならない所が多数です。
それぞれのパスの通用範囲を比較してみて下さい。
スイストラベルパスでは有料だが、ベルナーオーバーラントパスでは無料で行ける、そんな魅力的なデスティネーションを紹介します。
ブリエンツロートホルン鉄道
スイストラベルパス | 往復48CHF |
ベルナーオーバーラントパス | 無料 |
シュッ、シュッ、シュッ、蒸気機関車に押し上げられ、オープンエアーの車両でロートホルン山頂へ。線路沿いには放牧された牛たちと、花々が。
360°遮るもののない山頂からは、息をのむ絶景が広がります。
エメラルドグリーンのブリエンツ湖と、アイガー、メンヒ、ユングフラウを中心とする、ユングフラウ地方の山々が遠望できます。
アイガーエクスプレス
スイストラベルパス | 往復39CHF |
ベルナーオーバーラントパス | 無料 |
グリンデルワルトから、ユングフラウヨッホへの玄関口、アイガーグレッチャーまで、2020年に開通した、全26席の大型ゴンドラに乗って、15分で一気に駆け上がります。
アイガーグレッチャーからは、ユングフラウ鉄道に乗り換えて、ユングフラウヨッホに向かいましょう。
終点のユングフラウヨッホには、真夏でも、一面の銀世界が広がります。
アイガーグレッチャーから、クライネシャイディックまでは、線路沿いのハイキングコース『ユングフラウ・アイガーウォーク』もおすすめです。
フィルスト ロープウェイ
スイストラベルパス | 往復34CHF |
ベルナーオーバーラントパス | 無料 |
グリンデルワルトから、4人乗りのロープウェイで標高2167mのフィルスト駅へ。25分の空中遊泳は、アイガー北壁、グリンデルワルト、絶景の連続です。
フィルストからは、往復2時間、天空のハイキング。
シュレックホルンを湖面に移す山上湖、バッハアルプゼーを目指しましょう。
ハイキングコースには、アルプスの絶景が広がります。
アルメントフーベル ケーブルカー
スイストラベルパス | 片道8.8CHF |
ベルナーオーバーラントパス | 無料 |
ミューレンの山肌を一直線に上るケーブルカーで、アルメントフーベルへ。乗車時間はわずかに4分。
帰りはケーブルカーには乗らずに、頂上のアルメントフーベル駅から、天空の花畑、ブルーメンタール(花の谷)を通って、歩いてミューレンに戻りましょう。
花の谷。その名の通り、一面、花々で埋め尽くされた秘密の谷です。
所要時間は1時間ほどです。
スイストラベルパスとの違い
①通用区域
スイストラベルパス➔スイス国内全域
ベルナーオーバーラントパス➔ベルナーオーバーラントの通用範囲内
②料金(単位:スイスフランCHF)
ベルナーオーバーラントパス | スイストラベルパス | |||
2等 | 1等 | 2等 | 1等 | |
3日間 | 240 | 288 | 244 | 389 |
4日間 | 280 | 336 | 295 | 469 |
6日間 | 350 | 420 | 379 | 602 |
8日間 | 395 | 474 | 419 | 665 |
10日間 | 435 | 522 | 設定なし | 設定なし |
15日間 | 設定なし | 設定なし | 459 | 723 |
[最新料金確認日:2024年6月]
同じ日数であれば、通用範囲が限られる分、ベルナーオーバーラントパスの方が安くなります。ただし、〔3日間2等級〕〔4日間2等級〕ではそこまで差がありません。
③登山鉄道
スイストラベルパスでは50%オフですが、リージョナルパス・ベルナーオーバーラントなら無料、という登山鉄道やロープウェイが多数あります。
リージョナルパス・ベルナーオーバーラントは、スイストラベルパスに比べて、通用範囲が限られている分、料金も安く、無料で乗れる登山鉄道も多い、といったところです。
言い換えれば、スイス滞在中、ほぼベルナーオーバーラントに滞在するのであれば、お得なパスであると言えます。
スイストラベルパスと実例で比較
ベルナーオーバーラントパスがどのくらいお得か、スイス滞在中、ほぼグリンデルワルトに滞在するプランで比較をしてみましょう。
ベルナーオーバーラントパスは、ハーフフェアカードと併せて購入します。
旅程 | ベルナーオーバーラントパス+ハーフフェアカード | スイストラベルパス | スイスハーフフェアカード | |
1日目 | チューリッヒ空港→グリンデルワルト、アイガーエクスプレス往復 | 29.5 | 58.5 | 83.4 |
2日目 | メンリッヒェン~クライネシャイディックハイキング | 0 | 46.2 | 36.5 |
3日目 | ユングフラウ鉄道、ユングフラウヨッホ展望台 | 99 | 171 | 114 |
4日目 | ミューレン観光、シルトホルン展望台 | 42.8 | 42.8 | 64 |
5日目 | ブリエンツロートホルン鉄道、ブリエンツ湖クルーズ | 0 | 48 | 81.6 |
6日目 | ベルン観光、トゥーン湖クルーズ | 0 | 0 | 64.2 |
7日目 | ルツェルン観光、インターラーケン、ハーダークルム | 0 | 22 | 67.8 |
8日目 | フィルストハイキング、グリンデルワルト→チューリッヒ空港 | 29.5 | 36 | 80.4 |
パス料金 | 287
120 |
419 | 120 | |
合計 | 607.8 | 843.5 | 711.9 |
[最新料金確認日:2024年6月]
スイストラベルパスと比較すると、ベルナーオーバーラントパスの方がCHF235.7/1人お得でした。
スイスハーフフェアカードと比較しても、ベルナーオーバーラントパスの方がCHF104.1/1人お得でした。
スイスハーフフェアカードは一回一回チケット購入が必要ですが、スイストラベルパスとベルナーオーバーラントパスは無料区間はチケット購入不要です。
ベルナーオーバーラントに8日間滞在する今回のプランでは、スイストラベルパスやスイスハーフフェアカードに比べ、ベルナーオーバーラントパスの方が、かなりお得になりました。
まとめ
①ベルナーオーバーラントにじっくり滞在する。
②登山電車にたくさん乗る。
③一回一回チケットを買うのは面倒。
滞在日数や、登山鉄道の乗車回数によって、どのパスがお得か、変わってきます。皆さんご自身のプランで比較してみて下さい。
スイス国鉄の公式アプリの使い方は、こちらの記事を参照下さい。