鉄道パス

【スイス鉄道パス比較】スイストラベルパスとスイスハーフフェアカードを実例で比較します。

スイスの交通事情

スイスに個人旅行する際に、都市から都市への移動手段は、鉄道がメインになります。

スイス国内には網の目のように鉄道網が張り巡らされていて、どこに行くのも鉄道が便利です。

スイスの連邦外務省(EDA)発表の2019年交通統計によれば、スイスに居住する人の一人当たりの年間移動距離は2,400㎞で、世界一位だそうです。

そんな鉄道大国のスイスには、氷河特急やゴールデンパスライン、ベルニナ急行等々、素晴らしい観光特急から、各地の急峻な山を登る登山鉄道まで、たくさんの鉄道が走っています。

そこで今日は、スイス旅行に欠かせない鉄道パスを、実例を使って比較してみましょう。




この記事を読んで頂きたい方

①スイスに個人旅行を計画している。

②スイス国内の複数の都市を観光する予定がある。

③スイストラベルパスと、スイスハーフフェアカードの比較をしたい。

鉄道パスの種類

実は、スイスには『地方限定のパス』から、『スイス全域で使えるパス』まで、鉄道パスの種類はたくさんあります。

グリンデルワルト周辺に長期間滞在する、レマン湖周辺に長期間滞在する、というように、限られた地域に長期間滞在する場合は、『地方限定のパス』の方がお得になる可能性が高いです。

今回比較するのは、『スイス全域で使えるパス』の中の、スイストラベルパスと、スイスハーフフェアカードです。




スイストラベルパスの料金・特徴

 

2等  1等
3日間 CHF 232 CHF 369
4日間 CHF 281 CHF 447
6日間 CHF 359 CHF 570
8日間 CHF 389 CHF 617
15日間 CHF 429 CHF 675

[最新料金確認日:2022年8月]

※6歳未満は無料
※6~16歳は、親と同一旅程であれば、スイスファミリーカードという親と同じパスが無料で発行されます。
※25歳未満は30%オフで購入できます。(ユースパス)

389CHFで[8日間-2等用]を購入すれば、連続する8日間、国内のほぼすべての鉄道、バス、船の2等車両に無料で乗れます

ただし、一部の登山鉄道等は、無料ではなく50%オフ、25%オフです。

スイストラベルパスを所持していれば、切符を買わずに、そのまま列車に乗る事ができます。(原則、登山鉄道等を除き、スイスの駅に改札はありません。)

いちいち切符を買わなくて良いから楽です。車内で車掌さんが検札に来たら、スイストラベルパスを見せればOKです。




  

スイスハーフフェアカードの料金・特徴

スイスハーフフェアカード
CHF 120 (1等、2等)

120CHFでスイスハーフフェアカードを購入すれば、1カ月の範囲内で、国内のほぼすべての鉄道、バス、船に、半額で乗れます

早割り(スーパーセイバー)とも併用可能です。

乗車の度にチケットを購入する必要があります。




比較するプラン・条件

スイス国内をたくさん移動して、たくさんの都市を訪れる『周遊型プラン』と、滞在する都市を絞って、1ヶ所に長目に滞在する『滞在型プラン』を比較してみます。

比較条件は、滞在8日間、全て2等車、早割の適用なし、往復割引(デイパス)あり、ユングフラウは夏季料金、氷河特急の座席指定料金は別途支払、複数ルートは時間優先、でシミュレーションしました。

周遊型プラン

8日間で、5都市に滞在し、スイス国内の主な観光スポットや観光列車を回るアクティブなプランです。料金単位はスイスフラン(CHF)です。

出発地 / 宿泊地 スイストラベルパス スイスハーフフェアカード 通常料金
1日目 チューリッヒ空港
マインフェルト泊
0 19.5 39
2日目 マインフェルト
サンモリッツ泊
0 25.5 51
3日目 サンモリッツ
ツェルマット泊
0 76 152
4日目 ゴルナーグラート往復
ツェルマット泊
63 63 126
5日目 ツェルマット
グリンデルワルト泊
0 47.1 94.2
6日目 ユングフラウヨッホ往復
グリンデルワルト泊
166.5 111 222
7日目 グリンデルワルト
チューリッヒ泊
0 40.6 81.2
8日目 チューリッヒ
チューリッヒ空港
0 3.4 6.8
パス料金 389 120 0
合計 618.5 506.1 772.2

[最新料金確認日:2022年8月]

移動距離が長ければスイストラベルパスが得、と思っていましたが、8日間かなり移動する今回の『周遊型プラン』でも、スイスハーフフェアカードの方がCHF112.4お得でした。

さらに移動距離が増えれば、スイストラベルパスが有利になると思われますが、今回の『周遊型プラン』でも既に相当移動しています。

つまり、8日間であれば、かなり移動してもスイスハーフフェアカードが得になる可能性は高と思います。

滞在型プラン

滞在する都市を、グリンデルワルトとツェルマットに絞り、じっくりアルプスを楽しむプランです。料金単位はスイスフラン(CHF)です。

出発地 / 宿泊地 スイストラベルパス スイスハーフフェアカード 通常料金
1日目 チューリッヒ空港
グリンデルワルト泊
0 42.6 85.2
2日目 ユングフラウヨッホ往復
グリンデルワルト泊
166.5 111 222
3日目 フィルスト往復
グリンデルワルト泊
35 35 70
4日目 シルトホルン往復
グリンデルワルト泊
42.8 67.4 134.8
5日目 グリンデルワルト
ツェルマット泊
0 47.1 94.2
6日目 ゴルナーグラート往復
ツェルマット泊
63 63 126
7日目 スネガパラダイス片道
ツェルマット泊
14 14 28.5
8日目 ツェルマット
チューリッヒ空港
0 64.5 129
パス料金 389 120
合計 710.3 564.6 889.7

[最新料金確認日:2022年8月]

今回の『滞在型プラン』でも、スイスハーフフェアカードの方がCHF145.7得でした。

『滞在型プラン』でアルプスの街に数日滞在する=登山鉄道に乗車する機会が増える、という可能性が高くなるかと思います。

スイストラベルパスは、登山鉄道は無料ではなく50%オフ(ユングフラウは25%オフ)です。

登山鉄道に乗れば乗るほど、無料乗車がセールスポイントのスイストラベルパスを買ったのに、別途、登山鉄道代がかさむことになりました。

結果

比較プランは、なるべく一般的なプランを設定したつもりですが、意図せず、両方のプランともスイスハーフフェアカードに軍配が上がりました。

今回の設定プランよりも、さらに移動をして、尚且つ登山鉄道にはあまり乗らない、といったプランでしたら、スイストラベルパスがお得になる可能性は十分あります。

私自身は、なんとなくでスイストラベルパスを使っていましたので、意外な結果でした。

ただし、忘れてならないスイストラベルパスのメリットは、一回一回、鉄道のチケットを購入しないで良いというところです。

もちろんプランが変われば、結果も変わるので、皆さんご自身のプランで比較してみて下さい。

スイス国鉄の公式HP

スイス国鉄の公式アプリ

で乗車料金の検索ができます。