スイスの観光列車
スイス旅行の移動手段に鉄道は欠かせません。
大都市間の移動はもちろん、街中のトラムから、登山鉄道に到るまで、こんなところに!?というところまで鉄道でアクセスできます。
なかには、単なる移動手段ではなく、鉄道そのものが素敵な観光となるような、魅力的な観光列車がいくつも走っています。
氷河特急
ゴールデンパスライン
ベルニナ特急
ウィリアム・テル特急
ゴールデンパスラインはどこ?
ゴールデンパスラインはルツェルンとモントルーを結ぶ観光列車です。
《数字をタッチすると案内が展開します。》
①ルツェルン
②インターラーケンオスト
③ツヴァイジーメン
④モントルー
スイスでも人気のエリア『ベルナーオーバーラント』と『レマン湖』を結んでいるので、スイス旅行の旅程にも組み込みやすいのではないでしょうか。
鉄道会社やレールの幅も異なるため、ルツェルンからモントルーまでは何回か乗り継ぎが必要でしたが、、、
【NEWS】
2022年12月11日より、“ゴールデンパス エクスプレス”の運行が始まりました。レールの幅に合わせて、車輪の幅を変えられるこの最新鋭車両の登場により、②インターラーケンオストから④モントルーまで乗り換えなしでの運行が可能になりました。
今日は観光車両『ゴールデンパスパノラミック』や『ゴールデンパスベルエポック』が走る、③ツヴァイジーメンから④モントルーまでの区間をご紹介します。
車両の紹介①ゴールデンパスパノラミック
氷河特急と同じく、窓は天井部分の一部までガラス張りで、パノラミックな景色が楽しめます。先頭車には人気の展望車両もあります。
ゴールデンパスラインのなかでも、『ゴールデンパスパノラミック』の先頭車両にのみ、パノラマVIP席が設置されています。(全ての列車に、パノラマVIP席が設置されているわけではありません。)
パノラマVIP席は、MOB公式HPで事前予約できましたが、現在はWEB予約は一時中止していて、駅で購入するように案内が記載されています。[2023年8月現在]
最新の情報は、パノラマVIP席予約画面《MOB鉄道公式HP》で確認しましょう。
車両の紹介②ゴールデンパスベルエポック
オリエントエクスプレスを彷彿とさせる、レトロでクラシカルな内装が楽しめます。夏のハイシーズンのみ運行。
ゴールデンパスベルエポック《MOB鉄道公式HP》
ゴールデンパスパノラミック、ゴールデンパスベルエポックともに、座席配置は、1等車両は『1-2』の配置、2等車両は『2-2』の配置になっています。
車両の紹介③ゴールデンパスエクスプレス【NEW】
2022年12月11日に新型車両“ゴールデンパス エクスプレス”が誕生しました。
・運行区間は、“インターラーケンオスト”から“モントルー”。
・車輪の幅を変えられるため、“乗換不要”。(今までは、“ツヴァイジーメン”で乗り換えが必須でした。)
・座席クラスは、“2等”“1等”“プレステージクラス”。
・すべてのクラスがWEBで予約可能。
・2等、1等は予約なしでも乗車可能。
・プレステージクラスは予約必須。
外観は、ご覧の通りのスタイリッシュなデザインです。
車内は、木目調の落ち着いたデザインに統一されています。
天井部分も一部も窓になっていて、大きな窓からは、アルプスの景色を最大限、楽しめます。
こちらは2等車両になりますが、十分、ゆとりのあるシートです。
“ゴールデンパスパノラミックの機能性と、ゴールデンパスベルエポックの格式を兼ね備えた車両”というのが、乗車した感想です。
現在は上下線ともに1日4本の運行です。
インターラーケンとモントルーの間を運航していますが、当然、一部区間だけの乗車も可能です。
インターラーケン~シュピーツ間は、ユングフラウ地方へのアクセスに利用される区間です。
ゴールデンパスエクスプレスで一足伸ばして、トゥーン湖の港町“シュピーツ”を訪れてみてはいかがでしょうか?
興味のある方は、運行時間をゴールデンパスエクスプレス時刻表《MOB鉄道公式HP》で確認して、乗車してみて下さい。
大きな窓から、トゥーン湖の景色が楽しめます。
2等、1等は運賃のみで乗車可能ですが、座席予約をする場合は、20CHF。(10名以上は予約必須。)
プレステージクラスは、1等乗車券+座席指定料金35CHFが必須。
詳しくは、運航会社MOBの公式HPを参照下さい。
車窓の景色(動画あり)
それでは、ゴールデンパスパノラミックに乗って、ツヴァイジーメンを出発しましょう。
モントルーまでの所要時間は約2時間。車窓には絶景が広がります。
ツヴァイジーメンを出発して、しばらくは集落と牧草地を列車は走ります。
車窓の景色は、山裾に広がる牧草地、かわいい山小屋、牛の放牧、『スイス』といって思い描く情景そのものです。
放牧された牛達はのんびりとのんびりと草を食み、カウベルの音が聞こえてきそうです。
あえて氷河特急と車窓の景色を比べるなら、氷河特急は渓谷や岩山が多く、ゴールデンパスラインは牧草地や緑の山々が多いといったところでしょうか。
アルプスの景観は、左右どちらの席でも同じように楽しめます。
列車は途中、いくつもの小さな街を通過します。
沿線には、途中下車して散策したくなるような街がたくさんあります。
終点のモントルーが近づくと、進行方向右手の木々の間から、レマン湖が顔を覗かせます。
レマン湖の景観は進行方向右側の座席の方が良く見えます。
高台から見下ろすレマン湖と、湖の向こう側の山々が織りなすキレイな景色です。
レマン湖が大分、大きく見えてきました。ここまで来れば、終点のモントルーはすぐそこです。
ゴールデンパスラインの料金・所要時間
ゴールデンパスラインは、『乗車運賃』のみで乗車できます。いわゆる『特急料金』は必要ありません。
乗車運賃は在来線と変わりません。
スイストラベルパスを所持していれば、無料で乗車できます。
事前に有料で座席指定をすることもできますが、事前の座席指定は必須ではありません。
事前座席指定なしでも、当日乗車することができます。ただし、“ゴールデンパスエクスプレス”の“プレステージクラス”は予約必須です。
◎運賃(スイスフランCHF)
区間 | 2等料金 | 1等料金 | 所要時間 |
ルツェルン~モントルー | 76 | 133 | 5時間14分 |
ルツェルン~インターラーケンオスト | 33 | 58 | 1時間49分 |
インターラーケンオスト~モントルー | 53 | 93 | 3時間12分 |
[最新料金確認日:2023年8月]
◎座席指定料金(スイスフランCHF)
座席の種類 | 座席指定料金 |
通常座席 | 9 |
パノラマVIP席 | 5~15 |
ゴールデンパス エクスプレス |
20 |
ゴールデンパス エクスプレス (プレステージ) |
35 |
[最新料金確認日:2023年8月]
ゴールデンパスラインに予約は必要?
繰り返しになりますが、ゴールデンパスラインは予約なしでも乗車できます。
ただし、事前に有料で座席指定をすることもできます。
確実に座席を確保したい場合は、事前に公式WEBサイトで予約しましょう。予約画面も後ほど紹介します。
また、2022年12月に登場した“ゴールデンパスエクスプレス”の“プレステージクラス”は予約必須です。
事前座席指定のメリット
➔確実に希望の座席を確保できる。
事前座席指定のデメリット
➔どの時間の列車に乗るか事前に決まってしまう。
『この日のこの時間の列車に確実に乗る』と決まっていれば座席指定がおすすめです。
逆に当日の旅程次第で『どの時間の列車に乗るか当日決めたい』といった場合は、事前予約なしが良いかと思います。
事前座席指定のオンライン予約方法
事前の座席指定は、MOB鉄道の公式HPから予約できます。
車両によってWEBサイトが異なりますので、以下を参考にして下さい。
ゴールデンパスエクスプレス“プレステージクラス”予約画面《MOB鉄道公式HP》
ゴールデンパスラインの食事
最後に車内で頂ける、食事をご紹介します。
ゴールデンパスラインの車内では、車窓の景色とともに、軽食やスイスワインが堪能できます。
乗車後、メニューが配られるので、通りかかった乗務員の方に注文すればOKです。
・コーヒー 4CHF
・ビール500m 6.5CHF
・グラスワイン 10CHF~
・フルボトルワイン 45CHF~
・ホームメイドサンドイッチ 7.9CHF
・おつまみプレート 25CHF
・野菜スープ 3.5CHF
※2019年現在
ホームメイドサンドイッチがオススメです。
ハーフカットのフランスパンに、ハムやチーズがサンドされていてとても美味しいです。
スイスチーズにスイスワインを片手に、アルプスの車窓を楽しんでみてはいかがでしょうか?